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児童ポルノ禁止法

第三章

児童ポルノ禁止法


無修正のアダルト動画を個人で楽しむ目的のみで所有していた場合(これを単純所持という。)には、刑法175条に違反するものではないことは先に述べました。

しかし、無修正のアダルト動画については、児童ポルノとの関係も考慮しなければなりません。

児童ポルノについては、児童の人権侵害にあたるとして、世界的に規制される方向にあり、国際連合においても、児童の権利に関する条約の選択議定書として「児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」(略称: 児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書)を採択しています。日本もこの選択議定書を締結しており、各国でバラツキがあるものの、国際的に18歳未満のポルノ全般を規制する枠組み作りが進められています。

これに伴い制定された日本の法律である、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(児童ポルノ禁止法)について述べます。

まず、児童ポルノとは一体何かについて解説しますと、児童ポルノ禁止法においては、18歳未満を児童として定義し、特に次のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものが児童ポルノに該当するものとして禁止されています。

1.児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2.他人が児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為又は児童が他人の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3.衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

現在のところでは、児童の水着画像・動画等はセーフとされているようですが、水着とはいっても、極端に露出の高いものについては児童ポルノに該当するケースもあります。また、児童ポルノは、モザイクの有無は関係ありません。

そして、結論から言うと児童ポルノを単純所持していた場合においては、その所持者は罪に問われることはありません。あくまで処罰の対象とされるのは児童ポルノを頒布し、販売し、業として貸与し、又は公然と陳列した場合、及び、児童ポルノを頒布し、販売し、業として貸与し、又は公然と陳列する目的で所持していた場合です。

また、児童ポルノの単純所持は罪に問われないのが現在の日本の法律ですが、奈良県では13歳未満の児童を被写体とする児童ポルノの単純所持を禁止する「子どもを犯罪の被害から守る条例」が独自に制定されており、所持していることが発覚すれば、30万円以下の罰金か拘留、科料を科せられます。

従って、奈良県にあっては例え単純所持だったとしても、13歳未満のアダルト動画を手に入れることはしてはなりません。

まとめると、無修正の児童ポルノ(被写体が13歳以上)を単純所持していた場合には、日本全国どこであろうと罪に問われることはありません。

しかし、児童ポルノのうち、万が一被写体が13歳未満であるものを単純所持していた場合、奈良県においては条例により処罰されるということになります。

(注)当記事は、07年12月現在のものであり、児童ポルノの定義・法律・解釈、各自治体の条例は今後変更される可能性があります。




参考:
児童ポルノ違反で国立大生を逮捕
児童買春・ポルノ禁止法違反とわいせつ図画陳列の疑いで高校教諭逮捕
児童ポルノ所持で7人逮捕 1億4000万円売り上げ 警視庁など
児童ポルノ販売、介護士逮捕=「小遣い稼ぎで」?警視庁